私たちの血圧というのは常に変動しています。
例えば運動を行ったり、寒い日に外に出たりするだけでも血圧は上昇します。ただこういった一時的な血圧の上昇は高血圧とは言いません。
じっとしている状態でも、常に正常値が高い状態のことを高血圧と呼びます。
高血圧になると血管の壁にいつも負担がかかってしまうために、血管が傷つく・弾力がなくなって硬くなるといったことが起こります。
これにより様々な健康リスクが上がると言われており、決して放置しておいてはいけないのです。

高血圧の症状とは

血圧計高血圧は自覚症状がないために気づきにくいと言われていますが、病院に行かなくても自分で測定することが出来るという特徴があります。
最近では家庭用の血圧測定機器が普及したために、わざわざ病院に行かなくても普段から血圧を気にすることが可能となりました。

ただ年を取ってから血圧に気を付ける人は多くても、まだ自分は大丈夫と思っている人は少なくありません。
初期は症状がないと言われてはいるものの、実は軽微な症状が出ることもあります。
症状になるべく早く気づくことで、いつの間にか高血圧が進行してしまっていたということを避け治療に当たることが出来ます。

高血圧になるとみられる症状としては頭痛があります。
頭痛は肩こりやストレスといったことでも起こりますが、高血圧によって脳内の血管に動脈硬化が起こり頭痛を引き起こしている可能性もあるのです。
高血圧の人が頭痛を訴えた場合、検査によって脳出血などの症状が見られることもあり注意が必要といえるでしょう。

高血圧の人は不眠を訴える人も多いと言われています。
太っていることが原因で睡眠時無呼吸症候群を発症していたり、血圧が高いことで交感神経が高ぶったままになってしまったりするのではないかと言われていますが、きちんとした因果関係はまだわかっていません。

通常、人というのは夜眠るときには交感神経が休まり血圧が低くなります。
しかし高血圧になると血圧が下がらない状態となってしまうために交感神経が高ぶったままとなりやすいのです。
そのためによく眠れないといった不眠を引き起こす可能性があります。

では具体的には血圧がどのような状態になったときが高血圧なのでしょうか。
現在のガイドラインでは高血圧の程度によって数値が分かれており、自分がどのような状況に置かれているのかわかりやすくなっています。

初期の高血圧はI度と呼ばれ、上が140~159または下が90~99の状態をいいます。
進行してII期になると上が160~179または下が100~109、かなり進行したIII度では上が180以上または下が110以上といった数値です。
ただしこの数値は病院で測ったときの目安となるものであり、家庭において自分で測る場合の基準は少し低めに設定されています。
これは家庭で計測すると低めに表示されることが多いからです。

高血圧は合併症も多い!合併症の症状

高血圧が進行してくるとはっきりとした症状があらわれてくることが多くなります。
この症状は高血圧による直接的な症状というよりは、高血圧による合併症が原因の症状であることがほとんどです。
合併症は実に様々な形で体にあらわれます。命に係わる深刻なものもあり放っておくことは危険です。

高血圧とは血圧が常に高い状態のことを指します。体中を巡る血液の流れが血管壁に与える圧力を数値化したものです。
つまり血圧が高いということは血管の壁に強く圧力がかかり、血管への負担が大きいということになります。
血管に絶えず大きな負担がかかることで、血管壁はだんだん傷ついていきます。
傷がついた壁にはコレステロールなどがつきやすくなり、だんだんと壁の内側が分厚くなる部分が出てくるのです。
分厚くなった血管は硬くて弾力を失い動脈硬化となります。

動脈硬化になる様子高血圧が原因で起こる動脈硬化は全身にあらゆる悪影響を与えます。血液の役割は全身に酸素や栄養を送り届けることです。
動脈硬化によって血管が細くなったり硬くなったりすると血流が滞り、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなってしまいます。

例えば心臓の血管が動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞・大動脈瘤といった病気になりやすくなります。
こうした心臓系の疾患にあらわれる症状は、胸の痛み・動悸・吐き気・冷や汗です。
こうした症状が出ている場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。

脳の血管が動脈硬化を起こすと脳卒中のリスクが高まります。
脳卒中のうち動脈硬化によって血管が詰まってしまうと脳梗塞、脳の血管が破裂してしまうと脳出血となります。
脳卒中は激しい頭痛・めまい・嘔吐・手足のしびれといったものが代表的な症状です。

頭痛というのは脳卒中の代表的な症状ですが、それ以外の合併症でも起こります。
それが高血圧性脳症です。高血圧性脳症とは血圧が高まることで脳の血流が増えてしまい、脳がむくんでしまうことを言います。
脳に強い圧力がかかってしまうために頭痛を引き起こすのです。頭痛だけでなく意識障害やけいれんといった症状が伴うこともあります。

脳卒中も高血圧性脳症もどちらも深刻な合併症です。
合併症の症状が出ているということはかなり高血圧も進行している状態です。一刻も早く受診しなくてはならないでしょう。

高血圧症状が出ている時にしてはいけないこと

進行があまり進んでいない高血圧であっても、頭痛などの症状が出ているときにはしてはいけないことがあります。
高血圧の症状が出ているときに、さらなる急激な血圧の上昇を招くことは脳への合併症リスクを高めることとなるからです。
家族などとの言い争いやスポーツ観戦において大声で応援するといったことは血圧上昇につながります。

冬場の入浴の際に暖かい部屋から寒い脱衣所へ行って服を脱いだり、熱いお湯にいきなり入ったりということもしてはいけないことです。
急激な温度の変化は血圧を急に上げることとなるので、高血圧の人は注意が必要でしょう。

高血圧の人が吐き気といった症状を起こした時は、脳卒中などの命に関わる合併症の危険性があります。
吐き気が治まるまで様子を見るのではなく、すぐに病院を受診した方がいいでしょう。
吐き気を起こさないようにするには、処方されている薬を医師に指示された通り服用することが大切です。

高血圧症状が出ている人は、寝起きの活動にも気を付けた方がいいでしょう。夜は交感神経が休んでいるために血圧が下がっています。
朝は活動を始めるために脈拍や血圧を上げようと血流が良くなるため、血圧が上がりやすい時間帯です。
高血圧症状が出ている人が朝に動悸が起こりやすいというのはそのためです。
合併症を避けるためにも、起き抜けの急激な活動は避けてゆったりと1日を始めるようにしましょう。

めまいといった症状が出ているときに疑うのは、薬を間違えて服用していないかという事です。
降圧剤を多く飲んでしまい量が変更された場合など、血圧が下がり過ぎて低血圧によるめまいが起こることがあります。
血圧計で普段よりも下がり過ぎているようなら、横になって足の下に座布団などを敷いて脳に血液が行き渡りやすくすると効果的です。

めまいだけではなく、ろれつがまわらない・視界がぼやける・手足に力が入らないといった症状が出ている場合は脳卒中が起きている可能性があります。
その場合は自宅で様子を見るのではなく、すぐに病院を受診するようにしましょう。

高血圧の人にあらわれる症状は、他のことが原因で起こる場合もあります。しかし深刻な合併症によって引き起こされている可能性もあるのです。
たとえ小さな変化であっても見逃してしまうことは命の危険性につながります。日頃から自分の血圧をコントロールし、変化に気づくことが最も大切なのです。