子どもの高血圧症状

高血圧は、肥満体質の大人に起こり易い症状として広く認められています。
活発に運動する子どもは一般に高血圧になりにくいですが、昨今の欧米型食生活、スマートフォンやテレビゲームなどインドアな生活で肥満児あるいはその予備軍が増えており、したがって子どもでも高血圧が増えていると考える方もおります。
少年子どもの血圧は大人より低いですが、例えば十代では血圧が収縮期(上側)で120mmHg、拡張期(下側)で80mmHg以上がどちらかでもあれば高血圧の予備軍と考えられています。
肥満は確かに高血圧の最大の要因ですが、他に原因のある場合もあり注意が必要です。

子どもの正常な血圧範囲は、大人に比べて性別、身長、年齢などにより大きく異なります。
医師の中にはこうした知識に詳しくなく子どもの血圧に注目しないことから、症状が悪化していく状況があります。
また親側も子どもの血圧を気にしないことが多いものです。
「白衣高血圧」といって病院にいる不安などで血圧が高く出てしまう場合もあり、10分以上待って落ち着いてから測定すること、高い値の場合3回位は測定し直して正しい値かどうか確認する必要があります。

子どもの高血圧の症状は、大人もそうですが「サイレントキラー」といわれるように、自覚症状がほとんどないまま動脈硬化などを進行させます。
高い血圧で心臓が血液を送ろうと頑張るため、心臓の中でもその役目を担う左心室の肥大が数年で起こってきます。
将来的には脳卒中、心筋梗塞、腎臓機能低下など致命的な病気につながりますので、早期発見のために血圧測定は唯一のチェック手段であり、子どもでも定期的な測定をおすすめします。

高血圧を治療するためには、子ども一人一人がそうなった根本的原因をつきとめ、有効な対策をとるべきです。
最大の要因である肥満の場合は、もちろん食事や運動などの生活改善が必須ですが、大人でもなかなか継続しづらく子どもはなおさら挫折しやすいです。
低カロリーな料理、減塩、スマートフォンやテレビゲーム時間の低減、定期的運動などに無理のない目標を立てて、家族みんなで協力しながら進めていくとよいです。

高血圧は遺伝する?

高血圧の遺伝要因については種々の研究があります。
一般的に、遺伝要因と生活環境要因を合わせた家族からくる要因として約60%あるといわれていますが、詳細は明らかでありません。
日本人の高血圧の原因として約90%が、いくつかの原因が組み合わされて起こるため主因を特定できない本態性高血圧といわれているためです。

家族に高血圧の多い家庭では、食事(食塩使用量やカロリーの多い料理など)や生活習慣(運動習慣の不足など)がそうなりやすい状態で何世代も続いていて、当たり前と思っている習慣を気にしないままその環境で子どもが育ち高血圧になりやすい例が見られます。
子どものうちから(できれば家族みなで)血圧を定期的に測定する習慣をつけて、数値が高い場合は料理に気をつけたり運動するなど、無理のない範囲で努力することをおすすめします。
遺伝要因がもしあっても必ず高血圧になってしまうことはなく、生活環境要因を改善することで十分に血圧を正常に戻すことができます。

その上で努力しても症状が改善しない場合は、迷わず早めに専門医師に相談してください。
症状の状況を考慮して投薬治療をすすめられる場合があります。
症例は少ないですが、肥満だけでなく腎臓や肺の病気、心臓の組織欠陥、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症、遺伝性の病気などが原因の場合もあり、それぞれの治療を目指すとともに降圧剤を使用します。
子どもに投薬を行うことを躊躇するご家族もおられますが、一人一人の症状や他の病気の確認などを経て最適な薬を選択します。
また投薬で降圧している状態で家の料理や生活習慣の改善を進めることで、しかるべき時期に投薬をやめても正常血圧を保てるようになります。
これを機会に、子どもの血圧に気をつけていくことを強くおすすめします。